文字(日本語)のデザインのポイント〜フォントを作る〜
世の中に英文フォントは溢れるようにありますが、
チラシやポスターで本当に使いたいのは「日本語フォント」であることが多いですよね。
「青空マルシェ」といった少ない文字であれば、手作りで表現すると個性が出ますし、
可愛らしい雰囲気も出ます。
ただ、フォントを作るというのは本当に難しいです。
有名な「資生堂の書体」は、社内デザイナーが入社後1年かけて練習し続けるということで知られています。
統一感のある書体を作るには時間と経験が必要になります。
特に日本語は種類が多いので、創作に時間が必要です。
日本語をデザインするときのポイント
日本語をデザインする際のポイントは、「漢字・ひらがな・カタカナのバランス」です。
文字は画数が少ないほど大きく見えやすいので、漢字は小さく、ひらがな、カタカナは大きめに作ることが良いとされています。
外枠100%に対して、漢字が90%であれば、ひらがなが83%、カタカナが82%が目安と言われています。
線は弱々しく見えないよう、カタカナ、ひらがなを太めにデザインすることもポイントです。
まずは外枠を決めます。縦長なのか、横長なのか。外枠を決めることで全体の雰囲気が決まります。
次にそれぞれの文字のバランスを決めます。
カタカナ、ひらがな、漢字に分けて実際の文字のバランスを詳しく見てみましょう。
カタカナのバランス
カタカナは、小さ目にデザインします。カタカナは形状の特性によって4つに分類されます。
外枠いっぱいにデザインする文字:
アオケチテナラヤ
平たいイメージでデザインする文字:
エユニシンツスヌマルレハホヘ
縦長のイメージでデザインする文字:
イウキクサソタトネノミメリヲ
小さくデザインする文字:
コロヨモセヒフワカム
ひらがなのバランス
ひらがなのバランスは以下の通りです。
外枠いっぱいにデザインする文字:
あえおけたなねのはひふほみむやゆれろわんをてぬか
平たいイメージでデザインする文字:
いつへ
縦長のイメージでデザインする文字:
うくしもりまよきさちらそする
小さくデザインする文字:
ことにめせ
漢字のバランス
漢字のバランスはさらに複雑です。
漢字は様々なバランスの特徴があるので、まずは作りたい文字のベースとなるフォントで打ってみます。
例えば明朝を選択し、その漢字の全体のバランスを考えます。
「青空」の場合、青は枠内いっぱいに上下が入っていて横幅は狭め。空は、下部が空いていて横幅が広いです。
このように、漢字のバランスを詳細に分析することから始まります。
文字のデザイン
全体の大きさが決まったら、次に文字の重心、線の太さ、ディテールを決めていきます。
これらによって最終的に文字の特徴が決まります。
ディテールは、例えば端をどうするのかから始まり、
ハネは、カーブは、入りは、止めは、払いは、点は、折れは、フトコロは、
といったポイントを一つづつ決めていきます。
最後に
フォントのデザインはとっても難しいですが、
オリジナルの書体を考えるのは楽しい作業ですね。
デザイン上の主役となるタイトル文字など、「ここぞ」という時に使ってみましょう。